13日に92歳で死去した詩人の谷川俊太郎さんは、多くの作品を平易な言葉で書いた。子どもたちに伝えたのは音読の楽しさや日本語の持つ豊かさ。教科書にも多くの詩が採用され、世代を超え人々の心に響き続ける。
児童書などを扱う「クレヨンハウス東京店」は追悼コーナーを設置。訪れた小学生の原口真莉子さん(9)は絵本「もこ もこもこ」が好きといい「不思議な言葉が面白い。もっといろんな本を読みたい」と笑顔で話した。
教科書を出版する「三省堂」は中学で詩「朝のリレー」を、高校で「二十億光年の孤独」を採用。担当者は「読み手がそれぞれ多様な解釈ができ、意見を交換できる。言葉そのものに広さと深さがある」と魅力を語る。
まだ字が読めない幼児もそらんじることができる谷川作品。出版社「絵本館」社長の有川裕俊さんは「赤ちゃんが言葉を習得する過程で擬音語や擬態語を頼りに過ごす時期がある。谷川さんは彼らの感性を信頼し、子どももそれを感じ取っている。すごい人でした」としのんだ。