【リオデジャネイロ共同】ブラジル南東部リオデジャネイロで開かれた日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会議は19日、2日間の日程を終えて閉幕した。石破茂首相は閉幕後に記者会見し、国際協調を担うG20の役割は「一層重要になっている」と訴えた。
ウクライナや中東で地政学的な緊張が続く中、自国利益を優先する政策を掲げるトランプ前米大統領の返り咲きが決まり、多国間協調の枠組みは大きく揺らいでいる。
首相は、気候変動など地球規模の課題解決に向け「実りある議論を行うことができた」と振り返った。その上で、全てのメンバーが責任を共有する「グローバル・ガバナンスを構築していく必要がある」と説明した。
首脳宣言は異例の討議初日に公表された。第2次トランプ政権の発足を前に懸念が強まる保護主義を巡っては、透明性のある多角的な貿易体制が必要との説明にとどめ、「保護主義に抵抗」といった従来の表現から後退した。
ウクライナ情勢では侵攻したロシアを名指しした批判は避けつつ懸念を示した。