「大川原化工機」の社長ら幹部が外為法違反罪などに問われ、起訴が取り消された事件を巡り、警視庁捜査2課は20日、同社幹部に関する捜査書類を破棄したなどとして、公文書毀棄と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで、公安部の捜査員だった男性3人を書類送検した。同社側が3月と4月に刑事告発していた。警視庁は起訴すべきかどうかの処分意見を明らかにしていない。
捜査2課などによると、3人は当時警部と警部補、巡査部長だった。警部は警視に昇任後、退職した。
警部と警部補の書類送検容疑は、2020年3月、同社元取締役島田順司さん(71)の認否や言い分を聞き取る弁解録取書を裁断した上、過失で破棄したとする虚偽の報告書を同庁に出すなどした疑い。巡査部長は、同社の「噴霧乾燥装置」に関する温度実験で、うその捜査報告書を作成した疑い。
告発状によると、島田さんは警部補に弁解録取書の一部修正を求めた。警部補は同意したが指摘の通りに直さず、署名後に気付いた島田さんから抗議を受け、その後破棄した。警部は警部補の担当上司だった。