スペインで最も権威があるとされるフラメンココンクールの舞踊部門で今夏、川崎市出身の舞踊家萩原淳子さん(48)が外国人として初めて優勝した。同国では人種差別的投稿が交流サイト(SNS)に相次いだことなどからも大きな話題となったが、萩原さんは「外国人として一つの壁を乗り越えた」と快挙を喜んだ。
コンクールは南東部ラウニオンで1961年から毎年開かれている「カンテ・デ・ラス・ミナス国際フェスティバル」のプログラムに含まれ、8月に実施。舞踊のほか歌、ギターなど4部門あり、南部コルドバのもう一つのコンクールと共に二大コンクールとされる。
萩原さんは2002年、現在も拠点とする南部セビリアへ渡り、現地の一流舞踊家に師事。国内外の活動でキャリアを積み、2度目の挑戦だった。日本に一時帰国中、取材に応じ、日本人であることや年齢から「優勝できると思っていなかった」と驚きに包まれた受賞を振り返った。
会場では萩原さんへの授賞に一部の観客からブーイングが起こった。