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積み木みたいに重ねて手造りシェルター 被災地で自由に空間を簡単設置、松江

共同通信 2024年11月21日 7時3分

 積み木のように木製のブロックを積み重ね、簡単に部屋やブースを造ることができる製品を松江市の企業が開発した。その名も「つみっく」。軽くて強度もあり、暮らしの安全性を高める“シェルター”としての活用も目指す。能登半島地震では実際に避難所に提供、開発者で「つみっく」社長の三島昌彦さん(69)は「災害時に被災者自身が住まいを造れるようになれば」と意気込む。(共同=木原望衣)

 「つみっく」は地元島根県産スギの間伐材で作った筒状のブロックを組み合わせたもの。上側が凸型、下側が凹型になっていて、はめ込んで組み立てる。ブロックの数により横幅が違い、20~60センチの5種類ある。

 横幅の違うブロックをずらしながらはめ込むことで左右の分離を防ぎ、空洞に鉄筋を通して強度の高い建物が造れる。ブロックの筒1本で4トンの重さに耐えられるといい、シェルターは東京都が審査した木造住宅向けの「耐震改修工法・装置」にも選ばれた。

 開発のきっかけとなったのは、中山間地域の活性化を目指す有志の勉強会。移住者の住宅確保が課題だった。その際思い浮かんだのがブロック玩具遊びだった。木材を積み家を造ることを発案、独学で図面の描き方を学び2005年に「つみっく」の販売を始めた。

 これまでに被災地へブロックを搬入し、活用もしてきた。2011年の東日本大震災では、思うように外遊びができない子どものために立体迷路の秘密基地を設置。今年の能登半島地震では、断水が続く地域にシャワー室を提供した。

 三島さんは全国にブロックを備蓄することを目指す。畳2枚分程度の広さのシェルターなら大人2人で、半日ほどで組み上がる。「災害時、仮設住宅の整備には時間がかかる。『つみっく』で被災者が力を合わせて住まいを造れるようになってほしい」と話した。

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