原子力規制委員会は21日、運転開始から50年を超え国内で最も古い関西電力高浜原発1号機(福井県)について、60年までの施設管理計画を審査する会合を初めて開いた。関電は60年を超えて運転する場合に言及し「55年目以降に特別な点検を実施し、劣化状況を精密に調べる」と説明した。
高浜1号機は1974年11月に運転開始。既に60年までの運転を認められているが、来年6月に60年を超える運転が可能になる新制度が導入されるため、改めて認可を受ける必要がある。
会合で関電は、原子炉圧力容器やコンクリートを点検した結果、劣化はなかったと説明。必要な部品が製造中止となった場合は、在庫品の確保や他の部品の活用、設備ごと更新するなどの対応を取るとしている。規制委の担当者は「現時点で技術的な論点があるとは思っていない」と述べた。
新制度では規制委の審査などで停止した期間を上乗せすることで、60年を超える運転が可能になる。運転開始30年以上の原発は、10年を超えない期間ごとに施設管理計画の認可が必要となる。