藤井(奈良県橿原市)の「フワフワ毛布」は、独特のひだを付けた形状で、外に温かさを逃がさない。軽く、寝心地が良いのも特徴だ。2007年に発売。冷え症に悩む女性らに浸透し、累計100万枚を出荷した。企画開発をした藤井の藤井幹晴(ふじい・みきはる)さんにヒットの秘訣を聞いた。(共同通信=川村剛史記者)
通販大手や生協で販売し、価格は綿素材のタイプが1万円前後。ウールなどの商品もある。
毛布の表面は、ひだが横に並ぶ独特の形をしている。伸縮性があるポリウレタンの糸を伸ばして生地に編み込み、縮む力を利用して凹凸がいくつも連なるようにした。
「凹凸があるから毛布の内側に空気がたまって温度を保ち、熱を外に逃がさない。この技術で特許を取得しています」
重みを感じず、温かく眠れる毛布が欲しい人はいるはず―。その思いで開発を始めた。試作を重ね、生地が横に伸び縮みする構造に。寝返りを繰り返しても体からずれにくく、全身を包み込む。
「重さは1キロまでと軽く、体への負担を感じにくい。畳むと通常の毛布よりもコンパクトな大きさになり、洗濯機に入れて丸洗いできます」
独特の外見のため、当初は販売が低迷。だが通販を通して特徴が広く知られると、中高年の女性を中心に購入者を増やした。家族や友人の分もまとめ買いするファンも。
「寒さで眠りが浅い人でも、温かく体を包んで快適な睡眠につなげます」。藤井さんは、奈良県出身の66歳。