【北京共同】中国外務省は22日、日本人に対する短期滞在ビザの免除措置を30日から再開すると発表した。来年末までの措置で、2020年以来、約4年半ぶりの免除となる。もともと15日以内だった滞在可能期間を30日以内とした。国内経済が減速する中、免除措置の再開で日本との経済交流や貿易を促進する狙いがあるとみられる。
中国の習近平国家主席はペルーの首都リマで15日、石破茂首相と会談し「戦略的互恵関係」を包括的に進めていくことを確認し、人的交流の強化で一致した。トランプ次期米政権下で米中対立の激化が懸念されており、日本との関係を安定させたい思惑もありそうだ。
ただ日中間には広東省深センで起きた邦人男児刺殺事件や相次ぐスパイ容疑での邦人拘束といった課題があり、中国への観光客や投資が大幅に増加するかは不透明だ。
中国外務省の林剣副報道局長は22日の記者会見で「往来をさらに便利にするため」として、日本やブルガリアなど計9カ国へのビザ免除適用を発表。中国商務省は21日、免除対象国を拡大する方針を示していた。