自民党の岸田文雄前首相は23日、甲府市の党会合で講演し、来年夏の参院選では「攻め」の政策発信がなければ厳しい結果になると警鐘を鳴らした。与党過半数割れとなった先の衆院選では「守るだけ、反省するだけだった」として「これから実現する、という攻めの部分を見せなければ来年も厳しい」と述べた。
国民民主党が年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」解消を訴えていたものの、岸田政権でも社会保険料が生じる「106万円の壁」解消に向けた改革を進めていたと主張。「堂々と『自民も同じ問題意識を持って結果を出している』と言えば良かった」と振り返った。
派閥裏金事件による政治の信頼回復に関し、世論と党内で認識のずれがあるとして「何をやっても厳しい批判を浴び続ける」と指摘した。石破茂首相に対しては「孤独な決断を、歯を食いしばって頑張ってもらわないといけない」とエールを送った。