【バクー共同】アゼルバイジャンで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は23日、会期を延長し、発展途上国への資金支援目標で合意を探った。2035年までに先進国の政府や民間から年2500億ドル(約38兆7千億円)が流れるようにするとの目標案を巡り、先進国側は3千億ドルへの上積みを提示したものの、途上国側は拒否したもようだ。
議長国は妥協点を見いだそうと、23日午後に各国閣僚の意見を聞く会合を開催した。先進国側の上積み提案に対し、気候変動の深刻な悪影響にさらされる島しょ国など一部途上国が中断を申し出て退席。合意の見通しが立っていない。
気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」では産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えることを目指す。途上国は再生可能エネルギー導入などの温室効果ガス排出削減策や災害対策に、年1兆ドルを超える資金が必要だと主張してきた。これに対し、先進国は額の目安を公表しなかったが、一部では年2千億~3千億ドルをめどにしていたとの情報がある。