ロシアによる侵攻で国土の4分の1が地雷や不発弾の危険にさらされるウクライナで、日本の支援で技術を学んだ男性が地雷除去員として活動を始めた。処理経験が豊富なカンボジアでも研修。「家族と祖国のため安全な国土を取り戻す」。命懸けの任務に従事する。
技術系の会社員として妻子と過ごしていたディミトロ・ハチャノフさん(40)の生活は侵攻で一変し、親しい人を多く亡くした。やり切れない思いを抱えていた22年末、非常事態庁の除去員募集を耳にして志願した。
訓練を経て、配属されたのは激戦地東部ハリコフ州や南部ヘルソン州。金属探知機などを使って、地雷や不発弾を確認。地中にある危険物は専用器具で掘り出さなくてはならず、手順を誤れば、目の前で爆発する恐れがある。
処理の緊急依頼があれば、現場に急行。休暇は1年に30日ほどで、心身が休まる暇はない。
今夏、カンボジアで研修を受け「日建」(山梨県南アルプス市)が製造した油圧ショベル型の地雷除去機の操縦を学んだ。日本の支援の一環で「両政府には感謝している」と語った。(キーウ共同)