【釜山共同】プラスチックごみによる海などの環境汚染を防ぐための国際条約作りを担う政府間交渉委員会が25日、韓国・釜山で開幕した。条約案をまとめる最終会合の位置付けで、12月1日まで1週間の会期での合意を目指す。だが初日から一部の国が交渉の進め方に不満を示し、不透明な幕開けとなった。各国はこれまでごみの削減に理解を示す一方、生産量の規制では意見に隔たりがあり、焦点になりそうだ。
日常を支える身近な素材のため、条約案の内容によっては将来、生活や社会、経済に大きな影響が及ぶ可能性がある。企業による製品の脱プラスチック化やリサイクルの促進、飲食店などでの使い捨て容器の削減に加え、消費者側も商品の過剰包装を減らすなど、行動の変化を求められることが考えられる。
交渉委のルイス・バジャス議長は開幕のあいさつで「私たちは一緒に汚染を終わらせることができる。今が決断の時だ」と各国に呼びかけた。
経済協力開発機構(OECD)によると、2019年の世界のプラスチック廃棄量は20年前と比べて倍増した。