【ベルリン共同】ドイツを16年間率いたメルケル前首相(70)の回顧録が26日、ドイツで出版された。1期目のトランプ次期米大統領と対峙した時の印象を「国際協調に向けた連携は望めない」「全ての国が競争相手で共存共栄を信じていない」と辛口に振り返った。
題名は「自由」。社会主義体制下の旧東ドイツ出身のメルケル氏が自由を求める思いが込められ、各国首脳とのエピソードや外交の舞台裏がつづられた。30カ国以上で順次出版され、日本では来年5月にKADOKAWAから出される。
トランプ氏との初会談は2017年に米ホワイトハウスで行われた。一度握手した後、報道陣の求めに応じて再度握手を促したらトランプ氏に無視されたとの話を紹介し、安倍晋三首相(当時)とは「19秒も握手していた」と付け加えた。
会談を重ねたロシアのプーチン大統領はメルケル氏の苦手な犬を連れてきたことがあったと回想。「不当な扱いを恐れて警戒し、いつも攻撃姿勢で犬を使って力を誇示したり、人を待たせたりするような人」と評した。