【ベルリン共同】ドイツのメルケル前首相は26日、回顧録出版に合わせたベルリンでの対談イベントに登壇し、ロシアと中国の脅威に対抗するため、欧州と米国が協力する重要性を訴えた。トランプ前米大統領の返り咲きで「容易ではなくなった」としつつも「北大西洋条約機構(NATO)の抑止力を強化するには米国との協力が必要だ」と強調した。
ロシアのウクライナ侵攻を巡り、トランプ次期大統領は交渉による早期の戦闘終結を模索する立場を示している。メルケル氏は来年1月のトランプ氏就任を前に「ウクライナを支える欧州諸国は何を受け入れることができ、何を受け入れられないかを考えるべきだ」と述べた。
自身が在任中に会談を重ねたロシアのプーチン大統領について「ウクライナ侵攻は劇的な判断ミス。自身の力を過大評価した」と非難した。メルケル氏は対ロ融和姿勢やロシア産天然ガスに依存したエネルギー政策を批判されたが「政治的にも経済的にもロシアとの関係を絶たなかったのは間違いではなかった」と振り返った。