【フィウッジ共同】欧州連合(EU)欧州議会は27日、フランス・ストラスブールの本会議で、2期目続投が決まったEU行政執行機関トップのフォンデアライエン欧州委員長と、閣僚に当たる欧州委員候補26人で構成する欧州委員会を信任投票で承認した。現欧州委員は11月末で退任し、任期が5年の新体制が12月1日に発足する。
ミシェルEU大統領も11月末で任期を終え、12月1日にポルトガルのコスタ前首相が就任し指導部が出そろう。EUはロシアの侵攻を受けるウクライナの支援強化や、対ロ抑止を目的とした防衛産業の生産能力向上が最大の課題となる。
来年1月にはウクライナ支援や、北大西洋条約機構(NATO)による米欧の集団防衛体制に消極的なトランプ次期米政権が発足。緊密な対米関係を維持するための戦略の策定が急務となる。
フォンデアライエン氏は投票に先立つ演説で、ロシアを念頭に「脅威は深刻だ。われわれは野心的でなければならない」としてEU加盟国の対ロ抑止力の強化に努める考えを示した。