山口県沖の瀬戸内海で昨年1月、性能試験のため航行していた海上自衛隊の護衛艦「いなづま」が岩に乗り上げた事故で、運輸安全委員会は28日、当時の艦長らが海図を確認しなかったのが原因だとする調査報告書を公表した。
報告書によると、艦長は性能試験を早めに終えれば帰航中に乗員の訓練ができると考え、当初予定とは別の海域で試験をしようと決断。その際、航路の状況を海図などで確認せず、水面上に出ない岩があることに気付かなかった。
海自も昨年5月、艦長ら運航に携わる幹部が海図を十分確認せず、浅瀬を認識していなかったとする同趣旨の報告書をまとめている。