脱炭素対策として二酸化炭素(CO2)を地中に貯留する「CCS」の事業化に向け、液化したCO2を海上輸送する世界初の実証試験が始まった。日本CCS調査(東京)などは29日、CO2を貯蔵するタンクなどの陸上設備が完成した北海道苫小牧市で式典を開いた。2026年度末までに輸送技術の実用化を目指す。
液化CO2約400トンを載せた専用の輸送船が26日、京都府舞鶴市の関西電力舞鶴発電所を出港。約1千キロ離れた苫小牧市に運ぶ。12月上旬に到着する見込み。北海道電力苫小牧発電所内に新設したタンクは容量千トンで高さ18メートル、直径14メートル。気化したCO2を再び液化する設備も設けた。