殉職した警察官や人命救助で亡くなった民間人の慰霊祭が30日、東京都内のホテルで開かれた。7月の記録的大雨で住民の救助に向かい亡くなった山形県警の玉谷凌太警部補=当時(26)=の父荘一さんは遺族を代表し「安全と安心のために人に寄り添い信念を持って職務に励んでいたこと、家族を愛し、友人、仲間を思い続けていたことを誇りに思う」と述べた。
遺族や石破茂首相、坂井学国家公安委員長や警察庁の露木康浩長官ら約130人が参列。新たに11人が祭られ、慰霊対象は6281人になった。
玉谷警部補と佐藤颯哉警部=同(29)=は7月25日夜、パトカーで巡回中、救助要請を受け新庄市の現場に向かい、増水した川に流された。荘一さんは「明るさと優しさで周囲を和ませ、目を輝かせている姿は大人になっても変わらずかけがえのない存在だった」と息子をしのんだ。
新たに祭られたのは警察職員5人と、昨年8月に石川県小松市の海で溺れている男性を助けようとして亡くなった大学生藤原亮太郎さん=同(18)=ら民間の6人。