石破茂首相は2日の衆院代表質問で、自民党派閥裏金事件を受けた政治改革を巡り、立憲民主党などが求める企業・団体献金禁止を否定した。「自民党としては不適切だと考えていない」と述べた。立民の野田佳彦代表は首相の姿勢を批判し、抜本的な改革を求めた。与党過半数割れとなった10月の衆院選後、首相の所信表明演説に対する初の国会論戦を実施した。
首相は、使途公開不要な政策活動費を廃止する方針を示した。同時に、外交や企業の営業秘密に配慮し、使途を非公表とする支出を温存した自民党案を維持する意向もにじませた。
政治資金の適正さを確保する第三者機関の設置に関し、政党は民主主義を支える重要な役割を果たしており、政治活動の自由は尊重される必要があると強調。「国会設置が基本だ」と語った。
裏金事件に関係した議員の衆院政治倫理審査会出席について「必要な説明責任を果たすよう促している」と答弁した。
野田氏は政策活動費の全廃を要求し、企業献金禁止に関しては「改革の本丸だ。なぜ議論の俎上に載せようとしないのか」と訴えた。