総務省の有識者会合は2日、NTT法見直しに関する最終答申案を取りまとめた。NTT株式の政府保有や外資規制、固定電話の提供義務を維持する方針を盛り込んだ。NTT法廃止の是非は総務省の判断に委ねるとした。来年1月までのパブリックコメント(意見公募)を経て、正式に決定する。政府はNTT法廃止を当面見送る方針を固めている。
NTT法廃止を巡り、通信各社は公正な競争が阻害されるとして強く反対してきた。廃止論を主導した自民党の議員が10月の衆院選で落選し、政治状況が変化したことも背景にあるとみられる。
NTT法は、政府がNTT株式の3分の1以上を保有することや、外国人議決権の割合を3分の1未満に制限する外資規制を義務付けている。
答申案は、NTTの通信インフラはわが国の通信全体を支える公共的な役割があると強調。政府の株式保有は経営の安定、適正な事業運営を確保するために必要とした。外資規制も維持が適当との考えを示した。
固定電話は、他の事業者がサービスを提供できない地域に限定して義務を負う仕組みに変える。