【フランクフルト共同】欧州中央銀行(ECB)は12日の理事会で、政策金利として重視する中銀預金金利を0.25%引き下げ、3.0%にすると決めた。物価高の緩和や景気停滞を踏まえ、決定した。利下げは3会合連続で、今年4度目。
ECBは声明で、インフレ抑制が順調に進んでいると説明した上で「景気回復は想定よりも遅れる」との見方を示した。
欧州では経済大国ドイツとフランスの政治が混迷し、経済の足かせになっている。さらに、対欧州の貿易赤字を問題視するトランプ氏の米大統領返り咲きが決まり、貿易摩擦の激化など先行きの不透明感は強い。ECBの金融政策は、経済の下支えが一段と求められる局面を迎えている。
ラガルド総裁は記者会見で「貿易摩擦の激化は世界経済を弱らせ、ユーロ圏の成長に重しとなる恐れがある」と述べた。
ECBの中銀預金金利は、市中銀行がECBに余剰資金を預ける際の金利だ。家計や企業への貸出金利に影響する。利下げには景気を刺激する効果がある。
ECBは2%のインフレ目標を掲げ、金融政策を運営している。