奈良市の西大寺金堂院の発掘で、灯籠の痕跡が見つかり、奈良文化財研究所が13日に発表した。西大寺で灯籠の痕跡が見つかるのは初めて。寺は称徳天皇(718~770年)の父・聖武天皇が建立した東大寺と同格とされており、同研究所は「東大寺の八角灯籠と同格のものが存在した可能性がある」としている。
西大寺は765年、称徳天皇の勅願により平城京の右京に建立された。金堂院は弥勒金堂と薬師金堂を中心に回廊で囲まれたエリアを指し、奈良時代の西大寺の中枢に当たる。
今回の調査では、弥勒金堂の正面からロの字状に置かれたとみられるれんがの列を確認。内側に東西約1.8m、南北2.5m以上、深さ約80cmの土坑(穴)があった。金堂院の中軸線上に位置することなどから、灯籠跡とみられるという。
また、西側回廊の一部を調査したところ、礎石の据え付け穴を18個確認した。
柱の間隔は3.6mで、既に調査が実施されていた東側回廊と同じだった。これにより、金堂院の東西幅は97.4mで確定。南北は116.6mと推測されるという。