2025年で創立55周年となる関西フィルハーモニー管弦楽団(大阪府門真市)はこのほど、首席指揮者の藤岡幸夫さんが「総監督」に就任すると明らかにした。楽団によると、国内で総監督を置くプロオーケストラはほぼ例がない。新型コロナウイルス禍を乗り越え、四半世紀にわたり楽団と共にファンの裾野を広げてきた藤岡さんの実績と、テレビ番組の司会も務める知名度の高さなどを武器に飛躍を目指す。
就任は25年4月1日。関西フィルは、コロナ禍で活動が制限される中、日本オーケストラ連盟正会員の楽団では初めて政令指定都市や中核市ではない一般の市に拠点を移転。藤岡さんは府内に限らず、滋賀や京都などにも出向いて公演を行う地域密着型の活動に力を入れてきた。
こうした取り組みや協賛企業獲得への貢献が評価され、総監督就任が決まった。これまで英国のエルガーなど、個性的な作曲家を取り上げファンを獲得。「名探偵コナン」の劇場版音楽でも知られる菅野祐悟さんが初めて手がけた交響曲を世界初演するなど、日本人作曲家も積極的に登用してきた。