長野県塩尻市の酒蔵兼自宅で2021年9月、妻=当時(47)=を殺害したとして、殺人罪に問われた元長野県議丸山大輔被告(50)の判決が23日、長野地裁(坂田正史裁判長)で言い渡される。検察側は、間接証拠を積み上げ「犯人は被告しかあり得ない」として懲役20年を求刑、弁護側は「直接的な証拠はない」と無罪を主張している。
裁判員裁判公判は18回にわたり、被告が犯人かどうかで双方の主張がぶつかり「検察側が合理的な疑いが残らない程度に立証できたか」が争点となった。被告は初公判で「妻を殺害したのは私ではない」と起訴内容を否認し、公判中は検察側が犯行動機につながったと主張する不倫関係にあった女性ら21人の証人尋問や被告人質問があった。
検察側は論告で、不倫相手の女性との復縁を望み、妻の殺害を決意したとし、被告の車が事件前夜から当日早朝、長野市の議員会館と自宅を往復する様子が複数の防犯カメラに写っていたと指摘した。
弁護側は最終弁論で、不倫相手との結婚は考えておらず、妻との関係は良好だったと反論した。