半導体メモリーのキオクシアホールディングス(HD)は18日、東京証券取引所の最上位プライム市場に上場した。初日の取引は、売り出し価格の1株1455円を10%上回る1601円で終えた。この価格に基づく時価総額は約8630億円で、2024年では10月に上場した東京メトロに次ぐ大型案件になった。調達した資金は需要拡大を見込む人工知能(AI)向け先端品の生産力強化などに活用する。
この日の初値は1株1440円で、売り出し価格を1%下回ったものの、その後は株価が上昇した。キオクシアは上場に伴い2156万株を新規に発行し、約290億円を確保する。株式を持つ米投資ファンドのベインキャピタルと東芝が一部を売り出し、保有比率はベインが56%から51%、東芝が40%から30%に下がった。
キオクシアはスマートフォンなどのデータ保存に使う「NAND型フラッシュメモリー」で世界シェア上位。20年にも上場承認を受けたが、米中対立による事業環境の悪化などを理由に上場を見送った。当時想定した時価総額は1兆5千億円超だった。