中部電力が、衣類リサイクルや木材加工といった非エネルギー分野の事業に力を入れている。新規事業を担当する鍋田和宏副社長は「2030年に向けて、エネルギー事業と非エネルギー事業の割合を同等にして、全体で2500億円の経常利益を出せるようにしたい」と意気込む。
今年10月にはリサイクル事業を行うベンチャー企業のエコミット(鹿児島県薩摩川内市)に出資。不要な衣類などを回収し、再利用するサービスでエコミットとともに、中部圏や神奈川県の商業施設など28カ所(11月末時点)で展開する。鍋田氏は「まずは中部地域でやってみて、うまくいけばエリアにこだわりなく挑戦したい」と話す。
地域インフラを支えるための森林保全の一環として、木材加工にも取り組む。大林組子会社の製材会社「サイプレス・スナダヤ」とともに、北海道に国内最大級の製材工場を27年に稼働させる計画だ。
長野県などと連携して化学農薬に頼らない切り花の生産技術を開発し、トルコギキョウの栽培試験を21年から実施している。