自民党旧安倍派に所属した萩生田光一氏は18日の衆院政治倫理審査会で、派閥裏金事件を巡り、2003年の衆院初当選時に派閥事務総長から、政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分を政治活動費として返すとの説明を受けたと明らかにした。当時の派閥会長は森喜朗元首相だった。萩生田氏は、22年に資金還流の中止や再開を決めた協議にはいずれも関与せず、報告を受けた事実もないと述べた。
萩生田氏が問題発覚後に行った事務所担当者への聴取によると、04年の派閥パーティー前、派閥から返金されるノルマ超過分は収支報告書に記載しない取り決めがあると派閥事務局長から説明があった。旧安倍派(清和政策研究会)で少なくとも約20年前から裏金づくりが行われていたことを裏付ける証言。ただ森氏の関与は不透明なままで、安倍晋三元首相が中止を決めた資金還流が復活した経緯を含め、実態解明には至っていない。
萩生田氏は安倍氏の側近。22年7月に派閥会長の安倍氏が死去後、有力者「5人組」の一人として同派を支え、昨年8月末に常任幹事に就いた。