【ロンドン共同】チャールズ英国王の弟アンドルー王子(64)と長年友人関係にあった中国人実業家が、中国政府のスパイだった疑惑が浮上した。英紙は、この実業家が元首相とも接触していたと報じ、政界を巻き込んだスキャンダルとなった。王子は過去に性的虐待疑惑も持たれており、風当たりが強まっている。
英メディアによると、実業家は中国雲南省生まれのヤン・テンボ氏。2002年に留学のため渡英し、その後英国でコンサル会社を設立した。当局は「H6」と称していたが、16日に実名を明らかにした。
テンボ氏は、ビジネスでのつながりから王子と親交を深め、誕生日パーティーに招かれるほど親密な関係を構築。バッキンガム宮殿やウィンザー城にも出入りしたほか、中国では王子の代理人として投資活動に関わる権限が認められていた。キャメロン元首相やメイ元首相との接触もあった。
当局はテンボ氏の携帯電話を押収。23年に安全保障上の懸念があるとして、入国禁止処分を決定した。中国共産党で中央統一戦線工作部のために働いていたとみている。