政府が、サイバー攻撃に先手を打って被害を防ぐ「能動的サイバー防御」を導入するための法案骨子が判明した。電気や鉄道といった基幹インフラの保護強化や、通信情報収集の適正性をチェックする第三者機関の設置が柱。来年1月下旬にも閣議決定し、通常国会への提出を目指す。複数の政府関係者が19日、明らかにした。
課題として指摘される憲法21条の「通信の秘密」との整合性を図るため、第三者機関は、国家行政組織法3条に基づく独立性の高い「三条委員会」と規定する。政府が必要限度を超える情報を収集していないか、不要となった情報を適切に廃棄しているかといった点検に当たる。
新法は「重要電子計算機の被害の防止に関する法案」(仮称)。サイバー攻撃被害を防ぐため、通信情報の利用や、官民連携を推進する方針を明記。併せて、警察と自衛隊に無害化措置を行う権限を与えるため、関連法をまとめて改正する整備法案も提出する。
新法案は、インターネットにつながる基幹インフラや政府機関の機器を、重要電子計算機と位置付けて保護する。