【マカオ共同】マカオがポルトガルから中国に返還されて20日で25年。同日、政府トップの行政長官に初めて本土出身者が就く。高度な自治を保障した「一国二制度」の下での「マカオ人によるマカオ統治」の原則が揺らぐ。ただ市民の多くは中国の影響力拡大を受け入れており、目立った反発はない。
中国の習近平国家主席は18日、20日に実施される新長官就任式と返還25年の式典のためマカオに到着した。一部区域が立ち入り禁止になり、入境の際の検査が厳しくなるなど警備レベルが上がっている。
新長官となる岑浩輝氏(62)はマカオ終審法院(最高裁)前長官で清廉なイメージが強い。経済の柱であるカジノ産業の健全化や各種法律の整備が進むとの見方もある。岑氏はカジノへの過度な依存からの脱却を訴え、中国医薬や金融、ITなどの分野の成長を目指す考えを示している。
岑氏は北京大卒業後の1986年にマカオに移住し、終審法院長官を約25年間務めた。中国が返還後のマカオ統治の柱として育成してきたとされる「13人の忠臣」の1人だ。