刑事裁判をやり直す再審制度の在り方について、法務省が来春にも法制審議会(法相の諮問機関)に諮問し、見直しを検討する方向で調整していることが20日、関係者への取材で分かった。刑事訴訟法の再審手続きの規定が不明確で、審理が長期化しているとの批判があった。証拠開示の在り方の明文化や、再審開始決定に対する検察側の不服申し立てを制限するかどうかなどが焦点となる。
1948年に刑訴法が制定されて以降、再審に関する規定は見直されたことがなかった。法改正が実現すれば刑事司法制度の大きな転換となる。
制度を巡っては、1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審無罪が今年10月に確定。検察の証拠開示の在り方や、審理の長期化などの問題が顕在化していた。
制度の見直しを求める声は弁護士を中心に根強く、日弁連などは冤罪被害の早期救済のためには法改正が必要だと主張。今年3月には改正を求める超党派の議員連盟が結成され、一時は300人以上が名を連ねていた。