【ニューヨーク共同】ロイター通信は20日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を巡り、バイデン米政権が審査に「不当な影響力」を行使したと主張する書簡を日鉄が対米外国投資委員会(CFIUS)に送ったと報じた。買収に反対する全米鉄鋼労働組合(USW)の支持を得るための行為だと指摘し、取引が阻止されれば法的措置を検討するとした。
17日付で日鉄とUSスチールが連名で買収を審査するCFIUSに送った書簡の内容を報じた。ロイターによると日鉄側は、今年11月の米大統領選で再選を目指していたバイデン氏が、USWの支持を得るため買収に反対する考えを表明したなどと主張した。
USWは今年3月、バイデン氏の反対表明を受けて、大統領選でのバイデン氏支持を発表していた。
日鉄は昨年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)でUSスチールの買収を発表。今年9月にはバイデン氏が買収阻止の行政命令に向けて最終調整していると報じられたが、CFIUSが日鉄による再申請を認めて審査期限を12月下旬に延長した。