【ロンドン共同】英国が来年にもウクライナに派兵し、同国軍を訓練する可能性が浮上している。18日に首都キーウを訪問したヒーリー英国防相が、英国内に原則限定していた訓練をウクライナに拡大する可能性を示唆。NATO加盟国による本格的な訓練が実現すれば、侵攻開始後で初めてとみられ、ロシアへの圧力となりそうだ。
英紙タイムズは、NATO軍の事実上の配備開始を意味するとのウクライナ軍筋の見解を伝えた。英国側に死傷者が出れば、英国が戦争に巻き込まれる可能性があるとの懸念を指摘した。
ウクライナは東部でロシアの猛攻に遭い、苦戦している。兵士の訓練不足が一因との見方があり、西側当局者はタイムズに「前線に近いほうが効率的だ」と述べ、ウクライナで訓練する意義を訴えた。
侵攻以降、英国は自国でウクライナ兵5万人以上を訓練し、新兵指導の主導的な役割を果たしてきた。ウクライナでの訓練は比較的安全な西部での実施が想定され、英軍にとっても実戦経験が豊富なウクライナ軍の知見を得られる上、最新兵器のテストも容易になる利点もある。