【ワシントン共同】米政府の当面の支出を賄う「つなぎ予算」案を巡り、トランプ次期大統領は共和、民主両党がいったん合意した案を覆すなど、来年1月の就任前から議会への影響力を示した。一方、トランプ氏が求めた債務上限の撤廃を含む案は共和党内からの造反で否決され、求心力のほころびも見えた。
ワシントン・ポスト紙電子版は債務上限問題で「トランプ氏が共和党全体を意のままに動かすことへの限界を浮き彫りにした」と指摘した。
トランプ氏は今月20日、SNSに「議会は愚かな債務上限を廃止するか、29年まで停止を延長しなければならない」と投稿。政府機関の一部閉鎖が迫る中での予算審議を利用し、自身の任期中の債務上限問題を取り除こうとの思惑をのぞかせた。
しかし、債務上限の停止措置を盛り込んだ予算案は19日に否決され、21日に可決された予算案に債務上限の扱いは盛り込まれなかった。
上限停止に反対した共和党議員に対しトランプ氏は「才能のない野心家だ」などと激しく非難。「有能な対立候補が現れることを期待している」とも言及した。