回転ずし大手「スシロー」を運営するフード&ライフカンパニーズ(F&LC)の社長に10月に就任した山本雅啓氏(47)がインタビューに応じ、海外展開を加速する考えを示した。アジアを中心とした成長市場で日本食の需要を取り込み、グループ全体の海外店舗数は2024年9月期の182から、26年9月期は310~320と約7割増を目指す。
山本氏は「台湾や香港が好調で引き続き伸ばす」とした上で、鍵となる国に中国を挙げた。中国事業は、東京電力福島第1原発の処理水放出による風評被害や経済成長の鈍化が打撃となった中、足元では「内陸部が苦戦するが沿岸部の需要は旺盛だ」と説明。8月に初出店した北京は集客を伸ばしており「勝てる市場にリソースを投入する」と述べた。
素材や調理に磨きをかけるとともに「回転ずしは面白さが大事だ。楽しい体験を味わってもらいたい」と強調。9月末時点で国内19店舗に導入した、客席いっぱいのモニターにすしの回転レーンを表示した「デジロー」を今後1年で100店舗超に増やす。