阿部俊子文部科学相は25日、小中高校で学ぶ内容や授業時間数を定める学習指導要領の改定を中教審に諮問した。学校現場の裁量を拡大し、多様な個性や特性を持つ子どもに対応できる教育課程の柔軟化の検討を要請。1こまの授業時間を5分短縮して生じた余剰時間を個別学習に充てたり、学習進度に応じた学びをしやすくしたりすることを想定している。
教員の負担軽減が課題となる中、年間の総授業時間数削減には踏み込まず「現在以上に増加させない」とした。中教審は2026年度中に改定内容を答申する方針。今後、専門部会で本格的な議論を進める。
新しい指導要領の全面実施は、小学校が30年度、中学校が31年度、高校は32年度以降になる見通し。
諮問は、学ぶ意義を見いだせない子どもや不登校の増加などを踏まえ、画一的な教育から脱した「多様性を包摂する教育の実現」を強調。学校それぞれの課題に応じたカリキュラム編成ができる仕組みの導入を目指す。