日銀の植田和男総裁は25日、東京都内で講演し、政策金利の引き上げを巡り2025年春闘やトランプ次期米政権の動向を注視する考えを示した。経済・物価情勢の改善が続けば「金融緩和の度合いを調整していく」と述べ、追加利上げすると説明した。市場では来年1月の金融政策決定会合で利上げするかどうかが注目されているが、具体的には言及しなかった。
植田氏は、賃金と物価がそろって上がる循環を持続させるには、大企業の高水準の収益が中小企業や家計に「しっかりと分配されていくことが不可欠だ」と指摘した。日銀の支店のネットワークを活用し、中小企業の賃上げ動向を確認する。