障害者が家族や福祉施設・事業所の職員から受けた虐待は23年度に3477件あり、被害者は死亡2人を含む4641人に上った。22年度から398件、1159人増加し、いずれも過去最多を更新。厚労省が25日発表した。
厚労省は虐待防止の職員研修が22年度に義務付けられるなど通報の意識が高まったと説明。グループホーム運営会社「恵」(東京)の事業所が食材費を過大徴収した問題を自治体が「経済的虐待」と認定したことも影響したとしている。
福祉施設・事業所の職員による虐待は1194件、被害者は2356人だった。身体・知的障害者の50代男性が適切なケアを受けられない「放棄・放置」で死亡した。
件数を施設別で見ると、グループホームが338件で最多。続いて障害者支援施設244件が多かった。
虐待行為の類型(複数回答)は「身体的虐待」51.9%、暴言など「心理的虐待」48.0%が目立った。被害者の障害別(複数回答)では知的障害が74.3%で突出して多かった。
家族による虐待は2283件、被害者は2285人だった。