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「国は遺族の意見聞いて」 電通過労自殺9年で手記

共同通信 2024年12月25日 17時57分

 広告大手電通の新入社員高橋まつりさん=当時(24)=が、長時間労働やパワハラに苦しんだ末に自ら命を絶って25日で9年となり、母の幸美さん(61)が手記を公表した。過労死防止法施行から11月で10年となったのに被害者は絶えないとし、国に対し「私たち遺族の意見を本気で聞いて、対策を見直してほしい」と訴えた。

 電通に対し、残業時間の削減に触れ「社風を変えようという姿勢は分かります」と理解を示した。その上で、睡眠時間を削ったり、休日出勤をしたりする社員への対応が「最も大切」と指摘。「全ての社員が生き生きと誇りを持って働ける会社であることを願って、これからも見守っていきたい」とした。

 今年、まつりさんは存命ならば33歳、入社10年目だった。同期会に参加したり、後輩社員のロールモデルになれるよう頑張ったりする姿を想像し「絶対に幸せになってほしかった」と記した。

 「まつりのいない9年もまつりと共に歩んだ9年でした」ともつづった。誰もが安心して働ける社会の実現に向け、これからも一緒に力を尽くすとして手記を結んだ。

 まつりさんは2015年12月25日に亡くなった。幸美さんは厚生労働省の「過労死等防止対策推進協議会」委員を務め、各地で講演活動を続けている。

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