こども家庭庁の児童虐待防止対策部会は26日、児童相談所に一時保護された子どもの心身に有害な影響を及ぼす恐れがある場合には、虐待の疑い段階でも保護者の面会や通信を制限できるようにする制度改正を了承した。こども庁は、来年の通常国会での児童虐待防止法改正案提出を目指す。
現行は、虐待と確認される前の面会制限は、強制力のない行政指導として行われるケースがあり、保護者とトラブルになることも多い。
制度改正では、虐待疑い段階でも児童への影響が大きいと児相所長が認める時には制限でき、保護者の同意は必要ないことを児童虐待防止法で明確にする。面会・通信制限のほか、一時保護に著しい支障を来すと見込まれる場合には、児童のいる場所を明らかにしないこともできる。制限を判断する際には児童に意見を聞く仕組みも設ける。
こども庁は、全国の児相で子どもの保護や親の指導に当たる児童福祉司を26年度までに910人程度増員し、計7390人に増やすことを目標にする。22年度の虐待相談対応件数は約21万4千件で増加が続いている。