政府は27日、共生社会の実現に向けた対策推進本部(本部長・石破茂首相)を官邸で開き、障害者への差別や偏見を解消するための行動計画を決定した。障害者の結婚や子育ての支援、研修などを通じた公務員の意識改革、全ての人が相互に理解を深める取り組み強化の三つを柱に位置付けた。今後、継続的に計画の実施状況を検証していく方針。
障害を理由に不妊手術を強いた旧優生保護法を憲法違反とした7月の最高裁判決を受け、政府が対策本部を設置。障害者らにヒアリングを重ね、内容を検討してきた。
行動計画は、強制不妊手術を踏まえ「全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることのない社会の実現に全力を尽くす」と強調。社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるとした。
障害者の結婚や出産、子育てに関する自治体の支援策の周知や、当事者にも分かりやすいリーフレット作成を進める。
国家公務員や地方公務員の人権研修には、旧優生保護法の歴史的経緯や当事者の声を取り入れる。全ての幹部職員を対象に、障害当事者を講師とする研修を実施する。