40年以上にわたり経営トップとして自動車大手のスズキを率いた鈴木修(すずき・おさむ)相談役が25日午後3時53分、悪性リンパ腫のため死去した。94歳。岐阜県出身。葬儀は近親者のみで行った。喪主は長男でスズキ社長の俊宏(としひろ)さん。スズキが27日発表した。後日、お別れの会を開く。
徹底した現場主義で、スズキを日本の代表的な自動車メーカーに育てたカリスマ経営者。「軽自動車のスズキ」の地位を築いた。
中央大卒業後、銀行員を経て、1958年に鈴木自動車工業(現スズキ)に入社。2代目社長の婿養子になり、78年に社長に就任した。2015年に俊宏さんに社長職を譲った後も代表権のある会長を務め、通算で40年以上トップに君臨。強力なリーダーシップを発揮して陣頭指揮を執った。
現場にこだわり、コスト意識を社内に浸透させ、低価格車の生産ノウハウを編み出した。「アルト」や「ワゴンR」などのブランドが次々にヒットした。社長就任当時、売上高約3千億円だったスズキを3兆円企業に育て上げた。