福岡県那珂川市で約20年前に発掘された3基の古代墳墓が、石の積み方などから古代に東北などで暮らし、一部が九州に「防人」として移住させられた蝦夷の長らの墓とみられることが分かった。九州で蝦夷の墳墓が確認されるのは初めてという。分析に当たった「大野城心のふるさと館」(同県大野城市)の上田龍児氏は「今回の発見をきっかけに、各地で研究が進めば」と話した。
構造や規模などから末期古墳である可能性が極めて高いと考え、昨年11月に九州考古学会で発表した。末期古墳は主に北海道や東北で確認され、蝦夷の墓とされる。
墳墓は2005~06年度、九州新幹線の工事に伴い福岡県教育委員会が調査した。