偽サイトに誘導してクレジットカード情報を盗む「フィッシング」を狙い、金融機関などを装って送り付けられたメールやショートメッセージサービス(SMS)の報告件数が2024年、過去最多となることが11日、フィッシング対策協議会のまとめで分かった。1~11月の累計件数は148万5746件だった。
統計を取り始めた05年以降で最多だった23年の年間の119万6390件を既に上回った。協議会は犯罪者が自動送信システムを使っている可能性を指摘。セキュリティー企業は文面作成に生成AIを悪用している恐れがあるとみる。
協議会はクレジットカード会社やネット通販会社、一般のメール利用者などから報告されたフィッシングのメールやSMSの件数を集計。担当者は同じ文面のメールが同時間に何万通も送信される例があるとし「人手でこれほど大量に送ることは難しい」と分析した。
ロシアの情報セキュリティー大手「カスペルスキー研究所」はチャットGPTの提供が始まった22年以降、生成AIで作成したとみられるフィッシングメールが増えたとする。