ご褒美があれば検査だって“おでかけ”に―。津市の病院と近隣の温泉施設が協力し、脳ドックと温泉、食事がセットになったプランが津市のふるさと納税返礼品として登録された。うなぎや松阪牛といった特産品の返礼品が多い中、健康診断は珍しく、市への訪問機会を増やしたい狙い。担当者は「体験型の返礼品として、全国から来て三重県や市の魅力を感じてもらいたい」と期待する。(共同通信=白鳥礼珠)
プランは「くつろぎ温泉七栗脳ドック」と銘打ち、寄付額は11万2千円。藤田医科大七栗記念病院(津市)で頭部MRIや血液、心電図などの検査を受け、提携する脳神経外科クリニックの専門医が撮影画像の読影や診断を行う。近隣の榊原温泉施設では入浴と食事を堪能できる。検査と入浴を別日に変更することも可能で、利用者の予定に合わせた楽しみ方ができる。
同病院では昨年10月から同じプランを3万3千円で提供。愛知や滋賀など県外を含む150件以上の申し込みがあり、好評だったという。健康長寿と地域振興への取り組みとして評価され、今年10月に返礼品に選定。プランの利用者からは「検診のきっかけになった」「脳ドックも温泉旅館も行けて一石二鳥」などの声が上がる。
脳ドックでは約1時間半かけて脳疾患の兆候や発症リスクを調べ、2週間後を目安に結果が郵送される。大高洋平病院長は「脳疾患は早期発見が肝心。予防のためと思って年齢問わず受診してほしい」と呼びかける。
検査後の体を、ぬるめでアルカリ性の泉質が特徴の榊原温泉で癒やす。清少納言が枕草子でたたえた七栗の湯とも言われ、リピート客も多い。温泉と食事は榊原温泉の湯元榊原館など三つの施設から選べる。榊原館の前田諭人社長は「日本最高峰の泉質と自負している。どれだけ良いかぜひ体感してほしい」と力を込めた。