愛煙家の石破茂首相が、勤務中喫煙のために取る「たばこ休憩」の確保に苦心している。周囲に配慮して吸い続けてきたものの、首相就任に伴い環境が一変。官邸で分刻みの日程に追われる中、「1日数本」(首相)まで減らし、ついには禁煙を示唆する発言まで飛び出した。ただ長年の慣行を断ち切れるかどうかは不透明で、実現には疑問符が付く。
「ゼロになるまでもう少しかなと思っている」。首相は昨年12月の参院予算委員会で答弁した。
酒豪で鳴らす首相だが、かつて周囲に「たばこと酒、どちらかをやめろと言われたら間違いなく酒」と即答したヘビースモーカーで、自民党たばこ議員連盟にも名を連ねる。就任前は、執務の合間に議員会館の喫煙所に小まめに足を運び「専用の椅子がある」とうわさされたほどだ。
ただ改正健康増進法の施行や受動喫煙防止の取り組みの影響で、喫煙者への風当たりは近年強くなる一方。官邸の建物内は禁煙のため、首相は打ち合わせなどの間「あめをなめて口寂しさを紛らわせている」(関係者)という。