石破茂首相は13日、バイデン米大統領、フィリピンのマルコス大統領とオンライン会談した。バイデン氏が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収に禁止命令を出したことに関し、日本だけでなく米国の経済界からも強い懸念の声が上がっているとして、払拭に向けた対応を強く求めた。この問題で、首相がバイデン氏に直接懸念を伝えるのは初めて。
首相は、強靱なサプライチェーン(供給網)確立のためには同盟国・同志国間の連携が必要不可欠だと強調。経済安全保障を推進するため、企業が安心して投資できるよう取り組むことが重要だと指摘し、この観点からUSスチール買収問題について提起した。
日米比の3カ国連携を巡っては、海洋安保、経済的威圧への対応、重要インフラの強靱化、サイバー分野での協力が具体化していることを歓迎し、今後も継続していくことで一致した。
3カ国首脳は、最近の東・南シナ海情勢に関しても意見交換し、力による一方的な現状変更の試みに反対する立場を表明した。