鳥取県米子市出身で、ウクライナの国営通信社ウクルインフォルムで日本語編集者を務める平野高志さん(43)が13日、同県日吉津村で講演した。ウクライナの人々について「とりあえず日常を保っているが、1年後の未来を描けない不安を抱えている」とし「戦時下の日常」を知ってほしいと訴えた。2月24日にはロシア軍の侵攻開始から3年となる。
平野さんはミサイルが着弾し地面に穴の開いた首都キーウ(キエフ)の公園を写真で紹介。2日後には約100メートルの距離にあるバーでライブが開かれていたといい、「戦争と日常が同時に存在している。この中を生きる人たちのことを知って、自分にできることや、日本にとってどういう意味があるのか考えてほしい」と強調した。約160人が真剣な表情で聞き入った。
質疑応答では「世界各地の平和を望む運動は、現地に届いているか」との質問があり、平野さんは「声は届きにくいが、届いたときには『忘れられていなかった』と希望を感じられる。ウクライナの人たちには必要だ」と答えた。