三菱UFJ銀行の支店で貸金庫から顧客の金塊を盗んだとして窃盗容疑で逮捕された元行員今村由香理容疑者(46)が、宝飾品など金塊以外の貴金属には「手を付けていない」と説明していることが15日、捜査関係者への取材で分かった。外国為替証拠金取引(FX)で約10億円の損失を出していたといい、投資にすぐ使えるよう現金や一度で多額に換金できる金塊を狙ったとみられる。
警視庁捜査2課は、4年半で60人以上が被害に遭い、総額は現金で10億円以上、金塊で7億円以上としている。同課によると、今村容疑者は「借金返済に困り、貸金庫の現金に手を付けた」と話しているという。
捜査関係者などによると、今村容疑者は15年ほど前から競馬やFXを始め、2013年には借金を整理する個人再生手続きを申請。その1年後には再びFXを始めた。
盗む前は金庫内の写真を撮影し、後で元の状態に戻せるようにしていた。
逮捕容疑は24年9月ごろ、練馬支店の貸金庫室で、男性利用者2人が預けていた金塊計約20キロ(2億6千万円相当)を盗んだ疑い。