サッカーJ1のセレッソ大阪の本拠地「ヨドコウ桜スタジアム」(大阪市)が来場者の分析に向け、人工知能(AI)を搭載したカメラの導入を検討していることが16日、分かった。人数や性別、年代といった情報をプライバシーに配慮した形で収集し、混雑時の誘導や物品の販売などに役立てる。IT大手の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と技術の検証を進め、2025年度内の実用化を目指す。
ヨドコウ桜スタジアムの観客収容数は2万人を超える。サッカーのほか、ラグビーやアメリカンフットボールの試合などが行われ、年間数十万人が訪れる。
端末側にAIを組み込み、データの処理を行う「エッジAI」の技術を活用する。スタジアムの入場ゲートにカメラを設置し、映像からAIが来場者の数や属性をリアルタイムに推定する。「男性 30歳」などテキストデータのみをネット上に保存し、映像は残さないという。
スタジアム側は蓄積データを基に来場者の傾向を把握し、スタジアムで売る商品や催しの企画につなげる。来場者の満足度を高めるとの期待がある。